Adobe Fuse CCで作った3DキャラクターのPhotoshop CC 2015上での使い方

無断転載禁止 Adobe Fuse CCで作った3DキャラクターのPhotoshop CC 2015上での使い方

2015年11月末にAdobe CCでリリースされた新機能「Adobe Fuse CC」。

これは、Adobe Photoshop CC 2015上での画像制作やデザイン制作、プロトタイプ制作などに利用できる3Dキャラクターを、あらかじめ用意された「頭部・胴体・腕・脚・装飾品」などのパーツやテクスチャなどを組み合わせて細かにカスタマイズすることで、誰でもお手軽に人型の3Dキャラクターを作成できるアプリケーションです。
作成した3Dキャラクターは、Adobe CCのライブラリに保存されてPhotoshop上で使えるようになるので、ポージングが必要な画像制作などで活躍してくれると期待してます(いまのところ使うことはあんまなさそうかな)。

さらに、作成した3Dキャラクターは外部サービス「mixamo」と連携することで様々なアニメーションが付与でき、mayaなどのツール上で利用可能な形式で書き出すことができるようなのですが、
今回は、動画素材としてではなく、Photoshop上で利用するまでを実際に触ってみたのでメモしました。

3Dキャラクター制作編

Assemble(組み立て)

Assemble工程では、「頭部・胴体・脚・腕」のパーツをそれぞれ選択して3Dキャラクターのベースを作成します。

まずは[HEAD(頭部)]のパーツを選択します。
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左のプレビュー画面でそれぞれのパーツをクリックすると青色でハイライトされ、ドラッグすると任意の形状に変形することが可能です。

目の位置や、口角の感じをいじってみるとやわらかな印象になります。
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次に[TORSO(胴体)]のパーツを選択します。
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つぎに[ARMS(腕)]のパーツを選択します。
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最後に[LEG(脚)]のパーツを選択します。
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Customize(カスタマイズ)

Customize工程では、Assembleの工程で作成したキャラクターの細部をカスタマイズし、より深みのあるキャラクターに仕上げることが可能です。
各パーツやりたいところですが、カスタマイズ可能領域が膨大なため今回は[HEAD(頭部)]と[ARMS(腕)]だけいじりました。
[HEAD(頭部)]では、表情をつけられたりできます。
[ARMS(腕)]では、腕の長さ太さはもちろん、肩の位置や手の大きさ、関節の位置、指の長さ、など部位ごとにかなり細かく調整することが可能なので、Assemble工程では頭部と肩の線がガタガタで違和感のあった部分をなんとか滑らかにしました。

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Clothing(衣類)

Clothing工程では、一般的に衣類と呼ばれるような[TOPS(上半身に身に着けるもの)]、[BOTTOMS(下半身に身に着けるもの)]、[SHOES(靴)]、[HATS(帽子)や、
[HAIR(髪の毛)]、[MOUSTACH(口ひげ)]、[BERADS(あごひげ)]などの顔毛部門からキャラクターに装飾を施してゆくことができます。

ちなみに、今回はこんな感じ。
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Texture(質感)

仕上げに、これまで選んできたパーツそれそれに対して質感を設定することができます。
パーツが膨大で全部やりきれないので、今回はデフォルトでは日焼け&シミソバカスのあった肌を[Sun Tan~]パラメータを調整してきれいに整えてみました。

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保存

ここまで来たら画面右上の、[Save to CC Libraries]をクリックしてキャラクターを保存しましょう。保存先はお馴染み、Adobe CCのライブラリとなります。

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なお、[Save to mixamo]をクリックすると「mixamo」上に保存されます。これはmayaなどで使うためのアニメーションを設定する機能なので今回は割愛。
このmayaで使うに方法については、アドビクリエイティブクラウド BDスタッフブログ様の記事で詳しく紹介されていましたのでご参考になさってくださいませ。

 

3DキャラクターをPhotoshopで使ってみる

Photoshop CC 2015を起動しライブラリからキャラクターを読み込む

①キャラクターができたらPhotoshopを起動し、[ファイル]⇒[新規作成]から任意のサイズでドキュメントを新規作成します。
②3Dを扱うにはワークスペースも3D対応にしなければいけないので、画面右上のプルダウンから[3D]を選択しておきます。
今回の手順では主に下記のパネルを使うので、事前に[ウィンドウ]メニューからパネルを開いておくと良いと思います。

・レイヤーパネル
・3Dパネル
・属性パネル
・タイムライン

③[ライブラリ]パネルから、Fuseで保存したキャラクター「strong girl」を選択しドキュメントにドラッグします。

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キャラクターにペイントしてみる

[属性]パネルで[3Dペイント]アイコンをクリックすると、2D画像でブラシを使うのと同じ要領で実際に作った3Dキャラクターに対して描画ができます。
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カスタムテクスチャをつけてみる

キャラクター本体や身に着けているけている衣服や小物に対してカスタムテクスチャを適用することが出来ます。
ペイントの時同様、[レイヤー]パネルでキャラクターのレイヤーが指定されているのを確認し、レイヤー名の右側に表示される[▼]マークをクリックして、[テクスチャ]レイヤーを展開します。
「strong_girl_Top_Diffuse」が、トップスのテクスチャとなりますのでダブルクリックで展開します。

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展開すると、下記のような画面になり、テクスチャのみを編集できるようになります。洋服の型紙みたい。
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今回は花柄のテクスチャに決定。
テクスチャはWEB WORK KIT様のサイトからいただきました。ありがとうございます。

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テクスチャを付ける方法はいろいろあるのですが、
今回は、このメッシュを開いた状態で、
①塗りつぶしレイヤー作成
②塗りつぶしレイヤーに対してレイヤースタイル[パターンオーバーレイ]
でやりました。

保存してメッシュを閉じると、キャラクターのトップスに花柄のテクスチャが適用されているのがわかります。フェミニンな印象になりました。
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キャラクターを空間に配置する

現状は背景が透過になっているのですが、背景画像とライティングを設定することでよりいっそうリアリティのある空間をつくりだすことができます。
背景画像は、[ファイル]⇒[埋め込みを配置]などで空間の背景にしたい画像を選択して配置します。
今回は、弊社の全体会議で社長が大事な話をしている様子を背景にしました。

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[3D]パネル⇒[Skelton]を選択するとモデルの変形が可能になるので、背景画像の遠近感に馴染むように回転・拡大・縮小などで調整します。
2D操作に慣れていると、3Dの操作が思い通りに調整できなくてややモヤモヤすると思いますが根気よく。。

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キャラクターをうまく配置できたら、背景画像の光源にあわせてライティングを調整します。
ライティングはカンバスの中にある照明アイコンをクリックし、ドラッグで光源の位置を調節できます。

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キャラクターにポージングを設定する

最後に、キャラクターに躍動感のあるポージングと人間らしい表情を設定し、キャラクターに個性をつけて仕上げとなります。
[3D]パネル⇒[Skelton]を選択した状態で、[属性]パネルで[Body]をクリックします。
キャラクターに適用できるポーズの一覧が表示されるので、シチュエーションにあったものをクリックで適用します。
今回はこれをチョイス。

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これだけだと、場面に相応のポーズではないので[タイムライン]パネルの青いぽっちをスクラブしながら最適なポージングをみつけます。

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仕上げに、[3D]パネル⇒[Skelton]を選択した状態で、[属性]パネルで[Face]をクリックします。
度合の調整もスライダーや数値の増減で可能です。

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シーンを保存する

WEBや紙媒体など用途に応じた形式で適宜保存してください。
今回は最終的に、

①[ファイル]⇒[書き出し]⇒[ビデオをレンダリング]でmp4形式に書き出し
②書き出したmp4を、「Convertio」を使ってgifアニメに変換してみました。

こんな感じになりました。

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大怪我です。

さいごにおまけ

「Adobe Fuse CC」いろいろ強烈なツールなので興味があればぜひ触ってみはいかがでしょうか。

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車内でのマナーは守りましょう。

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